そのタブレット、何をしてるの?
我が子も小学3年生。入学当初からGIGAスクールの波により、パソコン(Chromebook)を支給されて使用しています。毎日「たぶれっとたぶれっと」言いながら家にも持ち帰って使用しています。
ここで気になるのが、「それで何してるの?」という点。
普段、仕事柄、IT関連業務をしている私。実際に子どもが何をしているのかがとても気になります。
遊び係の資料作成?
ある日、仕事から帰宅した私は、子どもが自宅でChromebookを開いて何やら作業している姿を目撃しました。何をしているのか聞いたところ、「遊び係で、こんどの学活の時間にみんなでやることの説明するスライドを作ってるの」とのこと。ん?スライド?Googleスライドですか?
持ち帰り残業みたいなことをしています。今からこれでいいのでしょうか?学校にいる時間にやらないの?
内容を見せてもらうと、レクリエーションのルールや注意事項がGoogleスライドにまとめられています。
「ちゅうい ころんだり、けがをしたときは、先生か係に言ってください」 とか、いろいろ書いてあります。どうやら、これをみんなの前で説明(発表)するようです。
連絡帳もChromebookになった
毎日の連絡帳。2年生までは普通のノートだったのですが、3年生からはGoogleクラスルームのチャットを使用して先生が児童に連絡事項を送信し、それを保護者と一緒に家で見る、というものです。
先日は、先生が宿題の指示を不完全な状態で送信していたらしく、児童から「せんせい、音読のページがどこなのかわかりません」「宿題をしないと親におこられます」「はやく教えてください」「みんなこまってます」などと集中砲火を受けて炎上していました。
親として、「そういうのに乗らないこと、一緒になって先生を責めないこと、先生もお仕事の時間以外は見ないよ」と教えました。そして「やる範囲がわかんなかった」と言って宿題やらなくてもいいんじゃん? と言ってみました。悪い親です。
昨年、別の学年でこれに似た炎上で、先生が気に病んで退職してしまった、というウワサも聞きました。
たとえば、リテラシー教育とか、正しい使い方とかその辺もしっかり指導すべきだと思います。
ホウセンカの観察
授業で「ホウセンカの観察」という内容があったようです。学校開放日の授業でこの授業を見たのですが、児童たちは校庭にあるホウセンカの花をChromebookで写真を撮っていました。最近は観察しても絵をかかないことが多いみたいです。記憶に残らなそうで、心配です。
観察日記はドキュメントで作成し、その写真を貼り付けていました。提出もそれを先生に共有して提出しているようです。
そもそも通学が大変
連絡帳になっているので、毎日Chromebookをランドセルに入れて持ち帰ってきます。Chromebookは約1Kg。ただでさえ重たいランドセルが余計に重くなっています。先日、Chromebookの入ったランドセルの重さを計ったら約5Kgでした。さらに水筒やら書道セットやらを一緒に持ち運んでいます。
正直、骨格に影響が出ないのか、心配です。
連絡帳的に使用したいのであれば、児童のGoogleアカウントに保護者アカウントを紐づけて、そこで連絡事項を伝えればいいと思いますが、保護者がGoogleアカウントを持っていないことがある、などを想定するとできなかったりするのでしょうか。ネット環境が無い家庭にポケットWiFiを貸与できるのであれば、保護者用のタブレットも貸与する、というのはできそうですが。
壊れたらどうなるのか
今、全国的に「学習用端末の故障時の修理」が問題となっているようです。自治体としては、導入のための予算は組んであるのですが、故障・修理に関する予算は想定以上の費用となっているようです。
児童が落下させ液晶画面が割れた場合、2万円程度の修理費がかかりそうです。
NHKの取材によると、「埼玉県の21市で1万5000台が故障し、保守費用は6億円余り」とのことです。
新型コロナの影響でリモート授業などの準備を大至急進める必要があったのでしょうけど、ここまでの内容は想定していなかったのではないかな、という印象です。
学校での利用風景を見ていると、従来の学習机では狭すぎて無理だよな、と直感的に感じました。Chromebookと教科書を並べておくほどのスペースはありません。
従来型の授業との棲み分けをしてほしい
先生としても、上から指示があったらパソコンでもなんでも使用せざるを得ない状況です。
例えば、従来の授業はそのまま教室で行い、パソコンを使う授業の場合は広い机のあるパソコンルームで行うとか、専門家を招いての情報リテラシーの授業を行うとか、そのあたりを考慮しないと理想的な環境にならないのではないでしょうか。
ITの導入はこれからの時代を生きていく上で欠かせないものです。
誰にでも使わせるのではなく、誰でも正しく快適に使えるよう、これからのよりよい活用を期待したいと思います。
【参考リンク】
小中学校タブレット端末 修理費6億円超 自治体が負担 埼玉(NHK 首都圏 News Web)
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20240409/1000103687.html