Googleの登記上の設立は9月4日
Googleの歴史は1996年までさかのぼります。スタンフォード大学の博士課程の大学院生だったラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの2人による研究プロジェクトがスタートし、その中で検索エンジンの開発が行われました。当初2人はこの検索エンジンを「BackRub(バックラブ)」という愛称で呼んでいて、日本語では「背中へのマッサージ」という意味があります。
その後、「googol(グーゴル)」という10の100乗を意味する数の単位(日本語では無量大数以上になる)にちなんだgoogle(グーグル)という名前になりました。これはスペルミスから始まったと言われていて実際には意味のない文字列という事になります。
このGoogleのドメイン名を取得したのが1997年9月15日で、会社組織として登記されたのは1998年9月4日という事で、最初は9月4日を創立記念日として祝わっていました。
いつから、なぜ9月27日になったのか?
Googleは2006年から9月27日を創立を祝う日にしました。近年でも創立記念セールなどはこの日からスタートします。
変更になった理由は、2000年のドットコムバブルにより成長を続けていたYahooとの関係が有力視されています。
Yahooは2000年からGoogleの検索エンジンをチューニングしたものを利用する事にしていました。しかし、Googleの検索エンジンの素晴らしさに脅威を感じるYahooは独自の検索エンジンの開発にも注力していて、他の検索エンジン企業を買収し、2004年にはGoogleの検索エンジンの利用をやめ、独自のものにしていきました。
その後2005年には、Yahooがインデックスしているサイト数がGoogleのそれを超えたとヤフーが発表しました。これを見たGoogleのエンジニアのAnna Pattersonが当時のGoogle search blogに誕生日を祝うための何かについて記述しています。
Annna Pattersonの日記
2005年9月26日、GoogleのソフトウェアエンジニアのAnna Pattersonは、「2005年の7周年を記念して、元のインデックスの1,000倍のサイズに拡張された新しいWEB検索インデックスを提供します。」と、Searchブログ上で発表しました。これにより、他の検索エンジンの3倍以上の規模となったGoogle検索エンジンが、他を圧倒する検索エンジンとなった日です。
>>当時のブログ記事 We wanted something special for our birthday….
以下Annna Pattersonの2013年に撮影されたGoogleでのインタビューです。
Googleでは、この日がGoogleの検索エンジンが他を寄せ付けない規模の検索エンジンとして世界をリードするものになったと確信した日になったに違いありません。
ブログでの発表は26日でしたが、この翌日の27日に世界中が認知したという事でしょう。翌年の2006年からはこの9月27日が創立記念、いわゆる本当の世界一の検索エンジンが誕生した日として、祝う日となったのでしょう。
Googleはこの件を正式に発表していません。そのため、様々な憶測によるストーリーもあり、9月4日の設立日やドメインを取得した15日と別の日にする意味もあるなどの憶測も呼んでいます。これらはGoogleの認知度をより確かなものにするためのマーケティング戦略だとする声などもありますが、検索エンジンとしてその性能を遥かに向上させた日である事は間違いありません。