Home Googleアカウント 無料版Gmailを企業で使うことの問題点

無料版Gmailを企業で使うことの問題点

by G Cafe AK
0 comment

業務に無料版Gmailでいいの?

ITの普及に伴い、従業員全員がメールを利用することが一般的になりました。
会社のメールを運用するにあたり気になるのがコスト面。会社のほとんどのユーザーはGoogle Workspaceで会社のドメインでのメールを使用しているものの、一部のユーザーにはコスト的に無料版Gmailを使用している、そんな会社もあるようです。

それでは、業務利用に無料版Gmailを使用した場合、問題などは無いのでしょうか?

管理者の有無

有料版であるGoogle Workspaceには「管理者」となるアカウントがいます。管理者は組織内のアカウントや利用状況の管理、アプリなどの各種設定が行える権限があります。
ユーザーがパスワードを紛失した際や、アカウントが不正利用された際にも管理者が適切にアクセスコントロールを行うことで、組織のデータを安全な状態に保つことが可能です。
また、ユーザーが退職、異動などの場合は、管理コンソールにてユーザーの削除、データの移譲などが行えます。

一方で、無料版Gmailでは「管理者」という概念がなく、それぞれのアカウントが独立して(共有などはできますが、組織に属していないという意味での独立)利用されます。
ユーザーがパスワードを紛失したり、アカウントが不正利用された場合、管理者が当該ユーザーを保護することができないため、データ流出などの危険性があります。

データの所有権の違い

無料版Gmailアカウントおよびアカウントを利用して作られたデータの所有権は「ユーザー個人」になります。例えば、会社が従業員に対して無料版Gmailアカウントを作成して業務に利用するようにした場合でも、そのアカウントおよびデータの所有権は「アカウントを利用するユーザー個人のもの」になります。したがって、退職などの際にユーザーがそのアカウントを利用を続ける場合、それを制限することはできません。

有料版のGoogle Workspaceの場合、ユーザーのアカウントおよび作成されたデータなどはすべて「組織=会社」に所有権があります。サービスの契約者が会社であるためです。

無料版Gmailを業務に使用した場合、「会社のデータを個人所有にしている」という点は情報保護の問題からすると大問題です。

想定されるケース

以下のような場合、無料版Gmailを業務利用していると問題の原因となることがあります。
会社の業務で利用する場合は、Google Workspaceを利用しましょう。

Case01 ユーザーがパスワードを紛失した場合

有料版のGoogle Workspaceの場合、ユーザーがパスワードを紛失したり不正利用された際には、管理者が管理コンソールからパスワード変更やユーザーのロックなどを行い、アカウントを保護することが可能です。
無料版Gmailでは、管理者がいないため、そのアカウントに何らかの方法でログインしてパスワード変更などの対応をしなくてはなりません。

Case02 ユーザーが退職する場合

Google Workspaceのユーザーが退職する場合、管理者がアカウントを削除し、当該アカウントが保有するデータを別のユーザーに移譲することができますので、アカウント削除後も引き続きデータが利用可能です。

無料版Gmailを利用しているユーザーが退職した場合、会社でパスワードを管理していればいいのですが、管理されてないユーザーの場合、退職後もそのままユーザーが利用できる状態になってしまうことが考えられます。当該ユーザーに共有していたデータの共有を解除し忘れた場合、引き続きそのユーザーがデータにアクセスできてしまう可能性もあります。

Case03 メールアドレスの問題

有料版のGoogle Workspaceの場合、メールアドレスが会社で取得したドメイン名となるため、企業の公式メールアドレスである点が一目でわかります。

無料版Gmailの場合、メールアドレスは 〇〇@gmail.com になります。このメールアドレスを対外的に利用する場合、「企業のメールが無料のものなのか」というような目で見られることがあります(無料版Gmailでもセキュリティ面は十分に確保されていて安全ですが)。
ちょっと知識がある人が見れば「この会社、無料版Gmailで業務してるけど、大丈夫かなぁ」と思われること必至です。

有料版でも「アカウントの使いまわし」はNG

有料版Google Workspaceを導入後、「あまり使わないから」と言ってひとつのアカウントを複数名で使いまわすのはNGです(もちろん無料版Gmailでもそうですが)。

一番困るのが、問題が起きた際に誰がやったのかわからないという点です。
Google Workspaceの管理コンソールのログで「どのアカウントが行ったのか」については、把握できるのですが、「そのアカウントをだれが利用していたか」というのはわかりません。
例えば、soumu@nantokakaisha.comのアカウントを使用してメールを送ったとしても、このアカウントを3人で使いまわしていたら、誰が送信したのかはわからない、ということです。また、ドライブ上のファイルを誤って削除してしまった場合についても、実際に操作したのは誰なのか、については記録が残りません。

業務利用にはGoogle Workspaceを

無料版GmailアカウントもGoogle Workspace同様にGoogleアプリが利用できるのですが、会社で利用するには管理面などで機能が不足しています。

安全な状態で利用するためには、従業員の人数分のGoogle Workspaceアカウントの契約が不可欠です。
無料版Gmailを業務に利用している方は、早めにGoogle Workspaceを申し込みましょう。

You may also like

G Cafeとは

生活に関わるIT問題を全てGoogleで解決!

Googleは、私たちの生活に欠かせないツールです。しかし、その便利さゆえに、使いこなせないと困ることも少なくありません。

そんなときに役立つのが、当サイト「G Cafe」です。このサイトでは、Googleのさまざまな機能や使い方について、わかりやすく解説しています。